灰色デイズ

やわらかくてぼんやりした灰色に包まれた日々

かもめがめがねをかけて本気で編むとき。

映画観ましたよ。

raintree0106.hatenablog.com

前にこの記事でちょこっと触れた作品です。

 

「彼らが本気で編むときは、」

かもめ食堂「めがね」などを手掛けた萩上監督の最新作。

母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)は叔父のマキオ(桐谷健太)とその恋人リンコ(生田斗真)と生活することになる。トランスジェンダーのリンコはトモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。桜の季節に出会った3人がそれぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日のお話。

 

 2月25日(土)から公開だったんですが、27日(月)にはもう観ました(笑)

しかも仕事を休んだりもせず。その日は普通に出勤してたんですが、急遽お昼から日帰り出張をすることになり、移動時間含めて3時間弱くらいで済む要件だったにも拘わらず直帰のお許しがもらえてしまったのです( ・ิϖ・ิ)

チャンスとばかりに行ってきました。

 

この作品の中で生田斗真くんはトランスジェンダー(身体の性と心の性が一致しない人)の女性、という難しい役を演じています。

私は作品を観るまで生田くんが演じている映像を全く見ていなかったので、彼がどんな風に演じているか予備知識のない状態でした。生田くんはあまり女性的なイメージではないので違和感があるんじゃないかな、と思っていました。

 

思っていたとおり生田くんは女性には見えませんでした。

でもそれでよかったと思います。普通の女性の心を持っているのに男性の身体に産まれてきてしまったリンコの哀しさと優しさ、リンコを大切に想う家族や恋人の気持ちが伝わってきて優しい気持ちになれました。(少し泣きました(笑))

私は予備知識がないまっさらな状態で観ることができてよかったです。だからこれから観る人のために、あまり内容については触れないでおこうと思います。知りたい方がいたらごめんなさい。

いろんな方が記事にしてると思うので必要な方はそちらでぜひっ(・ω・)

 

この映画を観たことで萩上監督の他の作品をもう一度観たい気持ちが高まりました。 というわけで、個人的に萩上監督ウィークを開催してました(笑)

 

かもめ食堂

2006年公開の作品。原作者は群ようこ

サチエ(小林聡美)はフィンランドの首都ヘルシンキで「かもめ食堂」という日本食の食堂を始めたものの閑古鳥の日々。やっと来たお客は日本アニメオタクのフィンランド人青年トンミのみ。書店で日本人女性ミドリ(片桐はいり)と知り合い、やがてミドリはサチエの店を手伝うようになる。空港で荷物が行方不明になった日本人旅行客マサコ(もたいまさこ)も加わったかもめ食堂のシンプルで温かな日々。

 

日本映画だけどオールフィンランドロケです。基本的にかもめ食堂の日常が描かれているだけ。強いメッセージ性というより観ていてほんわかと気持ちよくなれる作品です。

 

お店の前を通る度に、窓から中を覗き込んではサチエやかもめ食堂の噂話ばっかりしてるふくよかなフィンランド人のおばさまトリオ。

 

ニャロメのTシャツを着てやって来たフィンランド人青年トンミは、お客様第1号特典でかもめ食堂では永遠にコーヒーが無料。いつもタダでコーヒーを飲みにやって来ます。

 

いつも窓ごしに店の中を睨みつける謎の怒れるフィンランド人女性。 

 

サチエはいつもマイペースで食堂にお客さんが来なくても全く気にしない。シナモンロール・豚肉の生姜焼き・鮭の塩焼き、そしてサチエ曰く日本のソウルフードであるおにぎりを丁寧に作る。これらがものすごく美味しそう。ただでさえ食いしん坊の私は食べ物の話に弱いのでこれはポイントが高い(笑)

 

尋ねられたらガッチャマンの歌の歌詞がすぐさま全部書けちゃうミドリ。たまたま地図で指さした先がフィンランドだったってだけの理由でフィンランドに来てしまった人。きっと訳アリ。でも訳がない人なんていない。

 

マサコは両親の介護中にテレビでフィンランドのエアギター選手権を見たことがきっかけで両親の他界後にふらっとフィンランドに旅に来た人。空港で荷物が行方不明になって足止め中。マリメッコの服を素敵に着こなす。

 

 

こんなシーンがありました。

マサコがサチエにフィンランドの人たちはどうしてこんなにゆったりのんびしているんだろうと尋ねます。するとそれを聞いていたフィンランド人青年のトンミが言います。

 トンミ「モリ」

 マサコ「森?」

 トンミ「モリガアリマス」

すると少し何かを考えた様子のマサコはすぐに「ちょっと森に行ってきます」と言ってそのまま森に出かけます。出かけた先の森の様子は本当に美しくて夢の世界みたいです。

 

最初はお客さんがさっぱりだった食堂も少しずつお客さんが入るようになり、サチエの作る料理を美味しそうに食べてたくさんの人が楽しそうに過ごすようになります。

観ながら幸せってこういう形をしててもいいんじゃないかなと思いました。

 

 

 「めがね」

2007年公開の作品。

とある南の海辺の町にあるハマダという小さな宿にタエコ(小林聡美)という女性がひとり旅でふらりとやってくる。宿で彼女を迎えたのは主のユージ(光石研)と犬のコージ、毎年春になるとどこかからやって来る不思議な存在サクラ(もたいまさこ)。そして客でもなく宿の人間でもないのに当たり前のようにいる高校教師ハルナ(市川実日子)。タエコを「先生」と呼ぶ青年ヨモギ加瀬亮)もタエコを追いかけてハマダに現れる。何もない島で何もなく過ごす平和で少し不思議なひとときのお話。

 

 

今度はオール与論島ロケです。海がきれい。空がきれい

 ストーリーというべきストーリーはない作品でした。(いい意味で)

美しい風景、おいしい食事、何とも言えない不思議な安心感を与えるユージやサクラというキャラクターを見ているとなんだか癒されました。

ヒーリングミュージックならぬヒーリングムービーって感じです。

なので映画にストーリーを求める!という方はもしかしたら合わないのかもしれません。

 

キーパーソンは何と言ってもサクラ。毎年春になるとどこからかやって来て、他の季節は何をしてるか謎に包まれています。

毎朝浜辺でメルシー体操という彼女オリジナルの体操を島民と一緒にして、その後は浜辺でかき氷屋さんをやってます。

このかき氷はヨモギ曰く、「人生で一番のかき氷」らしいです。食べた後はみんな幸せな顔になってました。私も食べたい(食いしん坊)。

かき氷のお代はお金ではなくそれぞれの気持ちなので、野菜や折り紙、マンドリンの演奏だったりします。自分だったら何で支払いするんだろうな。

 

島には本当に何もなくて、来る人はみんなたそがれに来る、と宿の主のユージがタエコに言います。だからここにいる人はみんなたそがれが上手なんだと。

はじめは独特な雰囲気に馴染めないタエコが”たそがれ”のやり方尋ねると「誰かを想ったり、昔のことを思い出せばそれが”たそがれ”になる」と答えます。

 

ひとりで観て癒されるもよし、誰か大切な人と一緒に観て共にリラックスするのもよしの作品だと思いました。

 

 

勢いで短期間に萩上監督の作品を3作品観てしまいましたが、すべてに共通するのは色遣いの可愛らしさと家具や小物のセンスの良さだと思いました。

嫌味がなく心地よい映像は眺めるだけでも気持ちがいいです。

もうひとつ感じたのは、みんなどこかに自分の居場所があるのかなということ。

フィンランド、南の島、自分の心の性とは異なる男性の身体。少し強引かもしれないけど全部少し”日常”や”普通”から切り離された場所であるように感じました。物語の中で登場人物たちはその中でそれぞれ自分の場所を見つけました。

場所や形なんて関係ない。もしかしたらすごく遠い場所だったり想像と違う場所になるのかもしれないけど、どこかに必ず居場所はあるからそんなに無理しなくてもいいんだよ、と言ってもらえた気がしました。

強引かな(笑)

 

またリラックスしたくなったら観てみようと思います。